秘め事

医者×少年
診察プレイ


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 01

「こんばんは須藤先生」

 須藤医院の時間外にいつも訪れる少年は、佐々木緑と言った。

「やあ、いらっしゃい緑君。お腹減っているかい?」

 緑はこくりと頷く。

「じゃあ、一緒にご飯食べようか?」

 須藤が言うと、緑はにっこりと笑って、うんと頷いた。

 今日辺り緑が来るだろうと家政婦にカレーを作らせておいて正解だっと須藤は思った。

 美味しそうにカレーを頬張る緑を微笑ましそうに、須藤は見つめる。

 緑は近所のアパートに住む小学生で、母親の由佳と二人暮しをしている。

 十代で緑を産んだ由佳は、まだ若く、水商売で働いているが、緑のことはあまり関心がないらしく、二、三日家に帰らないことも多々あるらしい。

 ご飯も食べさせて貰えないことも多くて、緑は小学六年生になるというのに、どうみても三年生ぐらいにしか見えなかった。
 
 これでも須藤と最初にあった頃に比べれば随分太ったのだ。なにしろその時は、ほぼ栄養失調の有様だったのだから。

「今日は学校どうだった?」

「ん……普通……」

 緑は学校の事はあまり話さない。どうやら学校で虐められているようだ。

 家が貧乏だからということもあるだろうが、緑がちいさくて可愛いから、きっと皆虐めたくなるのだろう。

 好きな子に振り向いてもらいたい気持ちは分かるが、嫌われたら意味がないだろうに、と須藤は同級生が浅はかだと思う。

 しかし、よくよく考えて見えは、彼らのお陰で緑と仲良くなれたようなものだから、須藤は彼らに感謝しなけばいけないのかもしれない。

 彼らに虐められて、ケガしていたところを、通りがかった須藤が助けて、ケガの治療をしてあげたのだ。

「カレーは、おかわりする?」

 すっかり空になった皿を見て、須藤が尋ねる。

「……でも……」

 遠慮する緑に須藤はにっこりと笑った。 

「いいんだよ、遠慮なんてしなくて。私は緑くんが、美味しそうに食べるのを見るのが好きなんだからね」

 そう遠慮なんかせず、何杯でもおかわりをして欲しいぐらいだった。

 なにしろ少しぽっちゃりしたぐらいが須藤の好みだった。
               
 二皿のカレーライスを空にした緑に、須藤は言った。

「さあ、そろそろ診察をしようか?」

 緑はほんのりと頬を染め、コクリと頷いた。

 須藤は手を引いて、緑を診察室へと連れていった。 
 
 緑を丸椅子へと座らせて、須藤はいつも自分が座っている椅子に腰掛ける。

「さあ、今日はどこにケガしたのかな?」

 緑は左の肘を須藤に見せた。

 そこには2センチほどの青たんができている。

「ああ、打ち身だね。痛かったかい?」

 緑はふるふると首を振った。

「そうか、偉いな」

 緑の頭を撫でてやると、本当に花が綻ぶように緑が笑った。
 
 緑が須藤に求めているものが、父性なのだと知っている。だが、須藤が緑に求めているものは、まったく別のものだった。   
 
「怪我したのは、ここだけかい?」

 打ち身に軟膏を塗った後に、須藤が尋ねる。

「ううん、他はないよ」

「でも、もしかすると、他にあるかもしれないから、服を脱いで調べてみようね」

 須藤が緑のシャツのボタンを外していく。

「先生……」

 何度、同じ診察をしても恥ずかしがる緑が可愛かった。



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