顔合わせ
 15

 哀れとしか思われない様子に、松原は興奮し、腹筋が壊れそうになるギリギリまで、腰を振り続ける。

「アアッ……クウッ……ハアハア……達くッ……」

 まるで雑巾のようにペニスを締め上げられて、限界だった……。

「アァアアッ!!」

 信じられないほどの快感に、思わず声を上げた。

 友里の中に射精すると、更にギュウギュウと締め付けられた。

 友里もビクビクと躯を震わせて達していた。

 まるで精液を搾り取られるようだと松原は思った。

 有川もどうやら友里の咽で達したようで、急に友里が咳き込む。

 彼の口から大量の白濁と唾液が溢れ落ちた。

 友里は咳き込みながら、躯を痙攣させて、意識を失った。

 ***

 友里が目を覚ますと、そこは車の中だった。
 見覚えのある車の内装、そうこの車は省吾のものだ。

 がっつりと逞しい肩に、寄りかかるように眠っていた。

「省吾…さん…」

 友里は自分を支えてくれているのが省吾だと疑いもしなかった。
 ようやく焦がれている男と二人きりになれて嬉しかった。

「残念だが、社長はいないぜ。これから上海に行くんだってさ。お前がこんな様子だから、ホテルを予約してくれて、食事はルームサービスでもとれってさ。至れり尽せりだな」

 その声は真田のものだった。

 自分が寄りかかっているのが省吾ではないと知って、友里はとっさに躯を起こそうとする。

 しかし、その躯は酷く重くて上手く起きることができなかった。

「無理すんな。お前気を失って、全然目を覚まさなかったからな。まあ、あれだけ激しかったらしょうがねーけど。しかし、うちの常務も専務も絶倫だよな、あの年であの体力と精力って信じられん。特に専務のあのペニスとあの持久力は人間じゃねーな」

 真田の話を、友里はどこか遠くで聞いていた。

 友里の心は省吾のことで一杯だったのだ。

 気を失ってたとはいえ、どうしてなにも言ってくれなかたのだろうとか。

 上海はいつまでいるのだろうとか。

 今日の自分を見て、省吾はどう思ったのだろうと、そんなことばかりが頭を過る。

 自分が省吾の手駒でしかないことは分っているが、それでも……もう少し、自分は省吾の特別だと思わせて欲しかった。

 そうすれば、僕は省吾さんの為に、どんなこともできるのに……。

「おい……坂下、お前なに泣いてんだ?」

 真田に言われて、友里は慌てて涙を拭った。

「すいません、少し情緒不安定なんです」

「お前……もしかして社長のこと……好きなのか?」

 怪訝そうに、真田が言った。

「ち、違います。僕なんか……身分違いですし……あの人は僕のことなんか……」

 口に出すと余計に悲しさが増して、止めたはずの涙が再び流れる。

「馬鹿だな……お前……」

 友里は真田の言葉になにも言えなかった。

「社長が、よくやったってさ。専務にまで本気にさせるとは、流石に私の友里だと褒めてたぜ」

「えっ……」

 真田の言葉に友里は顔を上げる。

「帰ってきたら、ちゃんとご褒美をあげるから、それまで待っていなさいだと」

 なんとなくつまらなさそうに真田は言った。

 友里はそれだけで心が軽くなって、ふわふわした気持ちになった。

「社長にとって、お前は特別だと思うぜ」

 思ってもみない真田の言葉だった。

「はい……ありがとうございます」

 はにかむんで微笑む友里に、真田の表情が曇る。

「でもな……坂下、俺は社長を好きになるのは酬われないと思うぜ。やめとけよ、辛いだけの恋だろ」

 真田なりに友里を心配しているのだろう。その気持ちはありがたかった。

「ええ。でも……好きになったものは、どうしようもないじゃないですか。社長が僕をいらないというまでは、傍にいたいんです」

「馬鹿だな……お前」

 さっきと同じ言葉に、友里は微笑んで返した。

  
 end


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