Trip

 09

 蕾は表面を軽く撫でるだけにして、私はまだ洗い残した足を洗い始める。

「ああっ……仁さん……」

 縋るように真澄は私の名を呼ぶ。

 もう真澄も私の雄が欲しくて堪らないのだ。

 しかし、私は真澄の言葉が聞こえていないかのように、彼の足を洗った。

 指先まで洗い終えると、真澄の顔は欲情で火照り、もの欲しそうな表情で私を見ていた。

「さあ、綺麗に洗えたよ」

「仁さん……もう……僕……」

 真澄が言いたい言葉は分かる。だが、私はそれを遮った。

「次ぎは真澄が私を洗うんだ。君自身の躯を使ってね」

 私がそう言うと、大きな目を更に大きく見開いた。

 だが、その目には驚きだけでなく、淫媚な輝きも含まれている。

 私は真澄の躯にたっぷりと泡をつけてあげた。

「自分の躯を擦り付けて、私を洗うんだよ」

 真澄は上気で火照った頬を更に赤く染める。

「仁さん……僕……こんなこと……」

 欲情していても、まだ羞恥は残っているらしい。

 真澄は戸惑いを隠せないでいた。

「できるよ。だって……お尻の玩具を取って、気持ちよくなりたいんだろ?」

 すると真澄は堪えるように口元を引き締める。

 真澄に選択権はないのだ。

「さあ、まず背中から頼もうか?」

 私は真澄に背を向けると、彼が動くのをずっと待った。

 ピタピタと濡れた足音が近づいて、私の背を包むように真澄の躯が触れる。

 泡の柔らかな感触と、滑らかな肌、真澄の体温に、性的な興奮が昂っていく。

「くっついているだけでは洗えないよ」

 促すように言うと、ゆっくりと真澄の躯が動いた。

 真澄の肌で擦られる感触は、天にも昇るほど気持ちが良かった。

「ああ……堪らなく気持ちいいよ……真澄」

「んんっ……仁っ……さん」

 真澄の小さく尖った乳首や、勃起したペニスの感触も堪らなかった。

 彼の躯が上下に揺らされる度に、真澄の口から甘やかな声が漏れる。

 彼も私を洗いながら感じていたのだ。

「さあ、背中はもういいよ。次ぎは腕を洗って貰おうか?」

「あの……どうやって……」

 戸惑う真澄に私は告げた。

「もちろん君の股間に挟んで洗うんだよ」

 すると案の定、驚いた顔をして頭を振った。

「そんなっ……無理です。そんな恥ずかしいことできませんっ!」

「できるさ真澄なら。それに恥ずかしいことなら、これまでだって散々してきただろう?」

「でも……これは……」

 大抵のことは素直にしたがう真澄だったが、これに関しては抵抗する。

 まあ、確かにいつもと違って意思がはっきりしているのだからしょうがないかもしれない。

 だが、どうせ逆らっても無駄だと言うのに。

「君が洗ってくれないと、次には進めないよ。こうやって無駄に時間を過ごして辛いのは君の方だと思うんだけどね」

 まだ真澄の中のローターは動いたままで、彼のペニスは先からタラタラと透明な雫をずっと溢れさせている。

 一度射精したものの、余裕がないのは私より真澄の方だ。

「酷い……」

 泣きそうな目で、恨めしそうに私を睨んだ。

 


/ / 戻る / Top