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Real 44 あれから一週間が経ったが、隆一の行方は一向にわからないままだった。 隆一の友人やバイトの仲間、疎遠になっていた親戚にも片っ端から連絡してみたが、連絡一つも来ていないと言われた。 言葉も交わしたくないあの女にも会いにいった。 電話ではまったく取り合わなかったからだ。 足を使ってわざわざ会いに行ったというのに、得られたのは胸くそが悪くなるような隆一への愚痴と、反吐が出るような色目を使われた。 「ねえ、弟君の携番教えてよ。隆一から連絡あったら教えるし」 この女から隆一の名前を呼ばれただけでも唾棄したくなった。 「誰が、てめーみたいな年増のドブスになんかに教えるかよ」 そう吐き捨ててやると、醜い顔が更に醜くなった。 隆一のやつ、女の趣味が悪すぎるぜ。 結局のところ手がかりはゼロだ。今の俺は八方塞がりだ。 まさか本当に自殺……。 そんなことが頭に過っただけで、体中が絶対零度にでもいるように血の気を失う。 いや、まだだ。 隆一が自殺した証拠だって上がってこない。 隆一がそんなに弱いはずがない。 確証はなにひとつないが、そう強く念じていないと立っていられない。 「馬鹿……早く帰って来いよ」 ベッドの前で膝まづく。 不意に携帯のベルが鳴って、飛び起きた。 着信の表示はタツキからだった。俺は慌てて電話にでる。 タツキからの連絡は待ちに待ったものだった。 「兄貴の居場所が分った? 本当か!?」 体中の力が抜けるぐらい安堵した。やっぱり生きていた……。 隆一が生きている────! それだけのことが震えるほどの幸福を与える。 どんなに心に逆らっても、俺が一番大事なのは隆一だと思い知らされる。 どれほど憎くて、どれほど恨んでも……やはり、隆一のいない人生なんて考えられない。 良かった……本当に、良かった。 兄さんが生きている。 目頭が熱くなるのを必死で押さえる。 『おい、司っ、聞いているか?』 「ああ……聞いている。それで隆一は元気なのか、どこにいるんだ!?」 『ああ……まあ、元気らしいな。見た目には怪我なんかはしていないようだ。俺が見たわけじゃねーけど』 今まで気がつかなかったが、どうもタツキの歯切れが悪い。 どんな時でも毒舌とポーカーフェイスは剥がれない男がだ。 嫌な予感がした。 「それで、一体どこで見つかったって?」 数秒の沈黙のあとタツキが口にした。 『大和のマンションから二人で出て来たのを確認したってさ』 大和が……なんだって。 どうして隆一を────。 頭が真っ白になった。 『まったくあいつもよりによって一番面倒なのを……少しはこっちも迷惑も考えろっていうんだ』 タツキの言葉は全く耳には聞こえなかった。 大和が隆一と一緒にいる。 答えは──── 隆一は大和に攫われたのだ。
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