魔王の花嫁

魔王×勇者
失禁、和姦


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 その日、普段は静まり返ってる魔王城はひどく賑わっていた。それもそのはず、続々と貴族と呼ばれる魔物たちが集まっていたからだ。通常ならその五分の一でも事足りる業務だが、今日は衛兵や侍従や侍女もその対応に追われ往生の中を行ったり来たりと忙しい。

 それもそのはず、今日この日、先日捉えた勇者と魔王様の婚儀が本日執り行われるからだ。
 
 その祝辞と献上品を進呈するべく招待された貴族たちが、侍従に案内され、大広間のテーブルに着く。豪華な料理と美酒がところ狭しと置かれている。

 ほぼほぼ空席が埋まり、新たな入場者もいなくなった頃、荘厳なファンファーレが鳴らされる。

 豪奢な扉が侍女の手で開けられると、そこには緻密な刺繍をほどこされた純白のタキシードを着た男。二メートルはゆうに越す、体躯はタキシードを着ていても鍛えられた肉体がそこに隠されているのが分かる。
 背中まで伸ばされた漆黒の髪、そのサイドから伸びた山羊の様な角とピジョンブラッドの深い真紅の瞳のまさに美丈夫と呼ぶに相応しい男、それが今世の魔王だった。

 その魔王の隣にいるのは、まだ幼なさの残る少年だった。魔王の横にいるとまるで大人と子供みたいな身長差だった。勇者の頭は魔王の胸に届くか届かないかというぐらいだ。

 銀髪の髪にすみれ色の瞳、少女とも見まごうほどの美少年だが、彼が魔族の同胞を殺戮してきた強者だと言うことを、この場にいて知らぬものはいない。

 この場には彼と対峙して命からがら逃げてきたものも数名はいるのだ。剣を持った彼がどれほど強いか彼らが一番よく知っていた。

 か弱そうに見えて、何百とその彼らの同胞の命を奪ってきた凶悪で冷酷な勇者。しかし、今はその見る影もない。

 彼を覆うのは新郎と同じ純白のドレス。だが彼のまとうドレスの生地は透けるほど薄く、スカートの前合わせの丈はかろうじて股間が隠れるほどの短さだ。それは彼の幼い引き締まった肢体を余すとこなく顕にしていた。

 そして彼の白い肢体には緑の蔓の様なものが絡みついている。よく見るとそれは蔓でなく触手なのだと分かる。彼の股間に拳大の瘤がひっついていて、そこから幾重にも触手が伸びている。

 その触手には細かい繊毛がびっしりと生えていて、勇者の白い肌を這う様に蠢いている。そしてその先端は乳首やペニスに絡みつき絶えず刺激を与えていた。
 勇者の瞳に生気はなく、はあはあと熱を持った吐息が漏れていた。

 それを見た貴族たちは勇者が今どんな状態にあるかを知り、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべる。

 魔界では淫魔の使い魔としても有名な魔物である。その体液は催淫剤の材料にもなるほど強力で、処女でも童貞でも不感症でさえも淫乱に変えてしまうほどだ。

 勇者が捕えられて1週間。流石に精神汚染に強い勇者といえど、その肉体が快楽という拷問に蝕まれ続け、耐えきれなかったのはその表情を見れば一目瞭然だった。
 
 魔王が歩き出すと、その腕にしがみつく様にして勇者もゆっくりと進む。

 しかし、数歩歩いただけで勇者が立ち止まってしまう。

「どうした勇者よ。たかが、これほどの距離が歩けぬなど情けないとは思わぬのか?」

「んんっ…ふぁ、んんっ…」

 少し歩くだけでも性器に取り付いた魔物が弱い場所を刺激していた。今も蔓のような触手が乳首に巻きつき、締めたり緩めたりしながら先端で乳頭を突いたり弾いたりするのだ。
 それだけではない、ペニスや睾丸も触手が蠢き、尿道に差し込んだ一本はずっと抽送を繰り返してる。

「アアッ…ひぃ、うううっ、んんっ……もう、もうっ、無理っ…」

 ガラスの様なスミレの瞳から涙を溢れさせる。膝はガクガクと震えて立っているのもやっとだという有様だった。

「魔王を倒しにきた勇ましい勇者とは思えないほどの情けない姿だな。たかだか妖魔の使い魔如きに体を少し弄られただけで、その体たらくとは恥ずかしくないのか」

 少し弄られただけなどではなかった。この一週間、寝ても覚めても、勇者はこの魔物に体を嬲られていた。その間、勇者は射精も許されず、肌とういう肌を這い回され、敏感な場所は念入りに何度も弄られた。
 まるで身体中が性感帯の様に変えられて、射精もないメスイキを何度も味合わされた。

 しかし、この婚姻の前日から、絶頂を迎える様な強い刺激は与えられず、イク寸前で刺激を止められる。そんな生殺しの様な状態で今に至っていた。

 そんな破裂前の風船の様な勇者の体は歩くだけ、という普段ならなんでもない刺激でさえ、達してしまいそうだったのだ。

 そうちょっとしたコトでトリガーを引いてしまうそんな状態だった。

「もっ、申し訳、っ、ひぃ、んっ……ありま、せっ、んんっ」

 言葉ひとつ吐くのも苦しい。

「もしや貴様、今になってこの婚姻を取りやめたいと思っているのではあるまいな」

 頭の上から降ってくる冷たい言葉に勇者の背中に冷たい汗が流れる。

「いいえ、どうか私を陛下の伴侶にっ、くっ、ふぁ、あぁあっ」
 
 魔王との取引で、自国の民の命と引き換えに魔王の嫁になることを了承した。その約束さえなかったら、とうに自ら命を絶っていた。
   
「ならば、どうして歩かん。王座はもうすぐそこだぞ」

 ガクガクと体を震わす勇者を見下ろしながら、愉しそうにニヤニヤと笑いながら魔王が言う。

「アアッ、まっ、魔王さまっ、ひ、んんっ、このっ、この魔物を、とめっ…あっ、ひぃいいっ」

 少しの間だけでも止めて欲しかった。

「何、これを取って欲しいのか? 花嫁を飾る装飾としては見目はよくないからな。まあ、良い新しい花嫁の最初の願いぐらい叶えてやろう」

 ニヤリと笑った魔王が、何をしようとしているか勇者は理解して青ざめる。『やめっ』静止しようとする間もなく魔王が指を慣らすと身体中にまとわりつていた触手が綺麗さっぱりなくなっていた。

 そう、一週間もずっとペニスに栓をしていた触手さえも。

「あああっ!あぁあああ────っ!!」

 まるで放尿の様に精液がペニスから吹き出した。じょわぁーと勇者の意思とは関係なく、弛緩した尿道は精液を漏らし、性液が終わった後は尿が続いて流れ出る。勇者の白いドレスと内股を黄色い液体が汚して足元に水たまりを作る。

 周りから一斉に嘲笑とあざけりの声が沸く。

 勇者の白い肌は羞恥で真っ赤に染まっていく。しかし、長い間堰き止められていたせいで放尿の勢いは中々止まらない。

「ああっ、あああっ、ああっ……」

 戦慄く勇者の喉から絶望の嗚咽が溢れた。

「まさか、婚姻の儀式に新婦が公然の目の前で射精して尿まで漏らすとは、とんだ恥知らずだな」
  
 頭上から降る嘲笑の声。しかし、勇者の意識は魔族達の前での起こした自らの醜態に、ただ羞恥心で何も見えてはいなかった。

 ようやく放尿が終わった勇者の体が、くず折れそうになるのを片手で支える。

「しょうがない花嫁だ」

 自ら追い詰めておきながら、魔王はやれやれと言ったふうに魔法で勇者の体を清めると、その体を抱き上げた。
 ぐったりとする勇者を前抱きにして王座へと運ぶ。

 広間の奥には段差になったフロアに、ダークゴシックの装飾を施された王座が鎮座する。当然魔王は王座に腰掛けるが、そこに王妃用の座など用意されてはいない。勇者は魔王の股の間に座らされた。

「皆のもの、今宵は我と勇者との婚姻の儀式を祝うために訪れてくれたことを嬉しく思う。この儀式がすめば無礼講である。あとで皆にも余興を用意してあるので、各々好きに愉しんでくれ」

 おお────っ!と広間に歓声が湧き上がった。


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