試練

 04

 「お待ちしていましたよ。随分とゆっくりとしたご到着ですね」

 話しかけてきた人物に友里は驚いた。そこにいたのは有川副社長で、声を掛けられるまで、全く気がつかなかったからだ。

 そして彼の傍らにはほっそりとした美しい少年がいた。

「なに、少し飛行機が遅れてね。それよりも、君の隣の可愛い少年は誰なのかな?」

「まだ、社長にはお見せしていなかったですね。私の新しいスレイブのトーヤです」

 彼にもやはり首輪がつけられていた。

「随分瞳や肌の色が薄いようだが、彼はハーフかい?」

「ええ、父親はアメリカ人のようですが、本人自身は会ったことすらないみたいですよ。母親にも見捨てられたみたいで、随分荒んだ生活を送って、最終的にこんなところまで堕ちたようですね」

 彼が小刻みに震えているのは、有川に生い立ちをばらされているからではなく、彼の太ももにつけられた、小さな機械が関係するのだろう。

 そこから伸びた2本のコードは彼のアナルへと繋がっていた。奥から鈍いモーターの音が響く。彼の前立腺に当てられているのは間違いないだろう。

 白人の血を受け継いだ肌は真珠のように白く透き通っていた。その胸には桜いろの乳首がツンと尖って勃っている。

 少年の乳首とは思えないほど肥大した先にはリングのピアスが両方に付けられていた。

 そこに細いチェーンが掛けられて、その先は勃起したペニスの先端へと伸びている。

 少年の股間にアンダーヘアーはなく、どうやら剃られているようだ。
 その上未発達のペニスには乳首につなげれたリングピアスだけではなく、根元は金のリングで締め付けられて、そこにもローターを充てられていた。

「さあ、トーヤ。社長と友里くんにご挨拶を」

「はっ……初めまして……うぅ……と、トーヤです……。ご、ご主人さまの……新しい、ス、スレイブ……です」

 彼は紅潮した頬を引きつかせ、笑顔を浮かべようとしたが成功しているとは思えない。

「まだ躾の途中でね。多少見苦しがご容赦願おう」

「ほう、ではいつから彼の飼い主に?」

 省吾は値踏みするようにトーヤを見つめていた。
 彼の顎に指をあてる仕草に、友里は胸がざわめく。

「まだ、一ヶ月弱というところだよ。見かけこそ従順に見えるが、まだまだ心の奥底から服従しているわけではない」

 有川の言葉にトーヤの表情が強張ったように見えるのは、きっと錯覚ではない。

「いや、彼を一ヶ月でこれほど従順にさせるとは、さすがと言ったところだろう。もともと彼は矜持も高いし気性も荒い性格だろう」

 省吾の言葉に有川はニヤリと満足そうな笑みを浮かべる。

「そうまるで野生の山猫のように猛々しく、人に媚びず、懐きもしなかった。だが、それだけに躾のしようもあるというものだろう」

 トーヤは視線を反らせるように俯く。それは彼のわずかに残る矜持のせいなのだろう。

「なるほど、確かにまだ躾の途中のようだ」

 昔の話につい感情を出してしまったその未熟さを省吾は笑う。

「誰が俯いて良いと言った」

 鋭い叱咤にトーヤの躯がビクっと震えた。

「はい、申し訳ありません。ご主人様」

「私に恥をかかせたんだ。わかっているね」

「はい……」

 そう答え、伏せられたまつげが微かに震えていた。 

「さて、今回のお仕置きはどうしよう。たっぷりと浣腸をしたあとに、極太のディルドで栓をしようか。それとも公開プレイで黒人のデカブツで散々レイプさせようか。それとも……ここに直接電流を流してあげようか?」

 有川はトーヤのペニス掴み、指先で先端を撫でて残酷に笑う。

「トーヤは尿道をいじられるのが大好きだろう」

 トーヤの顔からは血の気が失せていた。とても大好きだとは思えなかった。

「ご……ご主人様の……思われるがままに……」

 有川の瞳が鋭く光る。 トーヤの怯えに入り交じった表情からは、はっきりと恐怖を感じるが、彼からは許しの言葉は出なかった。

「随分、利口になったねトーヤ。そうやって私に逆らわないことが大事だよ」

「はい……」

 トーヤは諦めに似た虚ろな表情を浮かべていた。

「褒めたとたんにソレか。主人の命令には嬉々として従うのが真のスレイブというものだろう」

「も……申し訳ありません」

 トーヤはもう躯を震わせるのを止められないようだった。

「まあ、いい。これからたっぷり骨の髄までお前が私のスレイブなのだということを分からせてやる。反抗したいなら好きなだけするがいい。むろん、それなりのお仕置きが待っているがな」

「いいえ……ご主人様に逆らうつもりなどありません」

「なるほど、ならば私の言うことならなんでも快く聞くか?」

 有川は残忍な笑みを浮かべる。

「はい、ご主人様」

 トーヤは必死に、すかさずそう答えた。



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