呼び出し
 17

 キツク目を閉じ、眉をキュッと寄せて、開かれたままの口脣から、絶えず甘やかな声音が紡がれる。

 友里は淫蕩に乱れていても、下品さも、浅ましさも感じられなかった。

「あぁあっ……ダメっ……悦くぅ……やぁああっ……」

 一段と艶を増し、腰をふる友里に、男は動かしていた手を止めた。

 急にオーガズムの波が引いて行くのを感じて、あまりの飢えに友里は気が狂いそうになる。

「自分で動きなさい」

 男は淡々と言った。

 友里は残酷な言葉に涙した。それでも深い欲望に負けて、腰を揺すり始める。

 前立腺に当たるように揺すると、気持ちが良くて全身を震わせた。

 あとはもう快感を貪るだけだった。
 観客のことも、省吾のことさえ、友里の中からは消え去っていた。

「あぁっ……イイッ……あぁあんっ……気持ちいい……」

 口元から垂れた涎が、糸を引いて床に落ちる。

 栓をされたペニスも、真っ赤に腫れて腹の下でプルプルと揺れていた。

「あぁっ……悦くッ……いいっ…悦くッ……」

 友里の躯が激しく震えた。眉の縦皺はいっそう深く刻まれて、口脣を戦慄かせる。

 観客からどっと拍手が湧いた。

 男が前に手を伸ばし、友里の尿道プラグを抜き取ると、すごい勢いで精液が噴射した。

 再び後ろのディルドで前立腺を突くと、絶え間なく精液がビュっと飛び出す。

「いやぁあっ……やめてっ……あぁああっ……」

 友里はまだ快感に躯を震わせたまま、止まない射精に悲鳴を上げる。

 ようやく射精が止まったと思った瞬間、別の生理的欲求が襲って来た。

「いやだっ……イヤッ……イヤァアアアアア!!」

 友里の劈くような悲鳴と共に、ペニスの先から黄みがかったの透明な液体が勢いよく、弧を描いて吹き出した。

 客席からは歓声が沸く。

「イヤァアッ……止まらないっ……やぁあっ……見ないでぇ……」
 
 友里の悲痛な叫びを、誰一人汲み取るものなどいなかった。

 シャーッと勢いの止まらない放尿を、観客達は愉しそうに笑いを上げて見物している。

「いやぁあ……ううっ……」

 やがて勢いも弱くなり、尿が止まる。

 ようやく友里は解放されたが、大勢の人間に失禁するところを見られたショックで、涙が止まらなかった。

 

 店を出た車の中でも、まだ友里は泣き続けていた。

「いつまで、泣き続けているつもりだ」

 少し苛立つような声で、省吾が言った。

「すいまっ…せん……ひっく……泣き止みたい……いいっ……のに……止まらなくっ……て……ぐすっ」

 これ以上、省吾を怒らせたくなくて、泣き止もうと思っているのに、どうしても涙が止まらなかった。

「ごめんな…さいっ……ひっく……ぼ、ぼ、僕のことは、もう……ここで……降ろしてくだっ…さって……か、構いません……」

 省吾は溜息を吐いた。

「お前が繊細だっていうのは、わかっていたが、まさかこれほどとは……」

 自分が省吾を失望させたと思うと、よけいに涙が溢れた。

 

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