デート

 05

「本当に……データは消してくれますか?」

 少し震えた小さな声だった。

「もちろん、約束するよ」
「わかりました……」

 まるで今から処刑でもされるような様子だった。
 そんなに恐れることなんてないのにと私は心の中で苦笑する。

 真澄の手を握って、私たちはホテルの中へと入った。真澄の指先は冷たくて、少し湿っていた。

「そんなに怖がらなくてもいいよ。優しく抱いてあげるからね」

 乗ったエレベーターの中で、私は真澄の緊張をほぐしてあげようと、そう声を掛けたが、真澄の強張った躯の力が抜けることはなかった。

 部屋に入ると、真澄は緊張して血の気を失ったように蒼白になっていた。

 だが、私はそんな真澄を今から抱くのかと思うと、血が滾り、心臓はまるで壊れたポンプのように、体中に血液をドクドクと送り込む。

「真澄……」

 私は彼の躯を抱きしめた。
 さほど身長も体格もない私の胸の中に、すっぽりと躯が収まってしまうほど、真澄の体は細くて小さい。

 伏せられた長い睫毛が小刻みに震えていた。
 
 真澄の尖ったあごを持ち上げて、顔を上げさせる。
 黒めがちの潤んだ大きな瞳が、怯えた眼差しで私を見つめていた。

 まるで吸い込まれそうな、美しい黒曜石だった。

 その可憐な口唇に口づけて、私は真澄をベッドに押し倒した。

 首筋に舌を這わせると、汗の味がして、私は興奮する。
 スカートを捲くしあげて、内もものその滑らかなで薄い皮膚の感覚を味わう。

「真澄……真澄……」

 名を呼びながら、首筋から鎖骨にかけてキスして舐めることを繰り返し、ワンピースの前のボタンを上から準順々に外していく。

「ああっ……いやぁ……」

 真澄は弱い抵抗をしながらも、私の与える愛撫に感じて、ヒクヒクと咽や内ももの筋肉を震わせる。

 ああ……堪らない。
 どうして彼はこんなに可愛くて、私を夢中にさせるのだろう。

 大きくはだけた胸元には、白地に赤いステッチとリボンの付いた愛らしいブラジャー。捲り上がったスカートの端からレースのショーツがちらりと覗いていた。
 
 涙目で怯えながら、頬を染めている様は、まるで無垢な少女が穢されているようだった。
  
 私はこの姿を是非、写真に納めたくてしょうがなかったが、むろん、真澄が許すはずもない。

 フフッ、まあいい、今のところは我慢しよう。

 私はこれ以上、服を脱がせる行為を止めた。

 内ももを撫でていた手を、薄いレースに覆われた膨らんだ丘へと移動させる。
 包み込むように触れると、真澄は大きな瞳を更に大きく見開いて、ヒクリと震えた。

 柔らかな指先だけのタッチで、膨らみを上から下へと移行する。

「……うっ……んんっ……」

 羽で撫でるように何度も指を上下させると、真澄は嬌声を堪えながら、シーツにたくさんの皺ができるほど強く握りしめた。

「少し撫でただけで、こんなに感じて……真澄の体は本当にいやらしいな」

 真澄は違うと口に出さずに首を振る。

「じゃあ、ここが感じないのなら、こっちならどうかな?」

 私は真澄のブラジャーを外さずに、上へとずらす。
 膨らみがないせいか、真澄の胸の飾りは簡単に姿を現した。

「桜色より少し濃いピンクだね。男の子なのにこんないやらしい色の乳首で真澄は恥ずかしくないのかな?」

 爪先でちっちゃな突起を爪弾いた。真澄の腰がビクンと跳ね上がる。

「ひっ……うっ……」

「こんなに小さいのに、真澄の乳首はとっても敏感なんだね」

 私は舌先で真澄の左乳首をぺロリと舐めた。
 舌先を尖らせ、乳首を転がすように捏ねる。

「……んっ……」

「感じてるの。こんなちっちゃな乳首舐められて気持ちいい?」

「違っ……ううっ……んんっ……」

 四肢を強張らせて、ヒクヒクと体を跳ねらせながら真澄は否定する。

「そうか、ならもっと強く刺激しないとな」

 私は音が出るように強く乳輪ごと吸い付いた。




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