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「これでようやく、お前の躯で私を慰められるんだな」

 いつの間にか、泰典の勃起した亀頭が彬也の蕾に当てられていた。

「………っ!!」

 拒絶も、抵抗も、する間もなく、泰典は彬也の中に入ってきた。

 だが、想像したような痛みはなかった。

「流石にキツイが……やはり、慣しただけあって、随分楽に飲み込んだな」

 苦しくて……熱くて……異物が腸を押し上げる感覚は、慣れる事なく気持ち悪い。

 しかし……躯が壊れるような、あの激痛はない。

「どうした、そんな不思議そうな顔して」

 ゆっくりと滾った肉棒を中に沈めながら、泰典が言った。

「知らな……いっ……ふあっ……んんっ!」

「ほら、もう奥まで入った」

 嬉しそうに泰典が笑った。

 こんな状況だというのに、久しぶりに見る父親の笑顔に、何故か彬也の胸は、切なく締め付けられた。

「彬也の中は、熱くて、狭くて、ギュウギュウ締め付けられて、すごく気持ちいいよ」

 汗で額に張り付いた髪を、泰典が撫で付けた。

「おとーさん……」

 こんなにも痛くて、苦しくて、辛いのに、やはり彬也は泰典を嫌いになれなかった。

 こんな些細な優しさでさえ嬉しい。

「動くぞ、彬也」

 彬也の細い腰を持つと、泰典はゆっくりと動いた。

 あれほど痛くて辛かった行為が、今は痛み以上に甘く痺れるような感覚が襲う。
 
「あぁっ……んっ……」

「彬也のいいところはちゃんとわかっているからな。お前もちゃんと気持ちよくしてあげるよ」

 そして泰典は彬也の前立腺を責め立てた。

「ひぃっ……あぁ、ひぃいいいっ!!」

 躯中を突き抜けていくような快感に、意識まで飛びそうだった。

「あぁんっ……あっ…あんっ…あぁああんっ!!」

 泰典がソコを突く度に、彬也は可愛い声で啼き、ヒクヒクと躯を震わせた。

「なんて、いやらしい孔なんだ……まるで搾乳のように絞られてるみたいだ」

 ハッハッハッハッ……切れよく息を吐きながら、小刻みに腰を振る。

 ニュチョニュチョと、彬也の孔に赤黒い性器が行き来を繰り替えす度に、卑猥な音が鳴った。
 彬也の襞は、肉棒に纏わリついて出入りを繰り返す。

「いやぁあんっ!!……溶けちゃうっ……溶けちゃうよぉ〜!!」

 彬也の声は更に、甘く艶めいたものに変わり、泰典が奥を突く度に可愛い声を上げる。

「いいぞ、彬也。もっといやらしい声で啼け」

 ゾクゾクと背筋を這い上がっている感覚に、躯中が蝕まれていくようだった。

「アッ……おとーさんっ……離さないでぇ……アァアアっ!!」

 自分がどこか行ってしまいそうで怖かった。
 必死で泰典にしがみつく。

 その仕草が、まるで自ら求めているようで、泰典は興奮して、腰のピストン運動を更に激しくした。

「あぁあんっ……ひぃ、ひぃいっ……イッ…アアッ!!」

 尿道を塞き止められたせいで、吐き出せない精は、毒のように苦しみを生む。

「クッ……達くっ……お前の腹にいっぱい出してやる!」

 ひと際激しく突いて、泰典は欲望を彬也の中にぶちまけた。

 彬也は朦朧とする意識の中で、自分の腹の中に熱い精液が流れ込んでいくのを感じていた。

 泰典の口唇が動くのを、彬也はぼんやりと見つめる。

『奈菜――――っ!!』

 泰典がそう叫んだとたん、彬也は酷く悲しい気持ちになった。

 胸が締め付けられて苦しい……。

 どうして、こんな気持ちになるの?

 しかし、そんな思考も長くは続かなかった。

 いつの間にか、彬也は気を失ったからだった。

 


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