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「別に処女じゃあるまいし、そんなに嫌がることねーだろ。たかがセックスだぜ。楽しめばいいんだよ」

 口脣を寄せようとする俊樹の顎を彬也は両手で制止する。

「やめてっ……ダメです。こんなことしたら、お父さんに嫌われるっ!!」

「大丈夫、大丈夫。そん時は、俺が取りなしてやるって……なにしろ可愛い弟、だもんな」

 ニヤニヤと愉しげに笑う俊樹のどこにも信用なんてできなかった。

「やめてっ、兄さんっ!! イヤッ、ヤァアアアッ!!」

 首筋を舐められて、ナメクジが這うような、その感触が気持ち悪くて堪らなかった。

 手足をばたつかせて、必死に抵抗する。

 ガツッ────!!

 左頬に激しい衝撃がした。
 息が止まるほどの激痛。

 次ぎは鳩尾にズンッと重い衝撃。
 それから筋肉が千切れるような痛みと共に、吐き気が襲う。

 なにが起きたかよく分からなかった。
 ただ、痛い。
 痛くて、痛くて、堪らない。

 ゲホッ、ゲホッっとむせるような吐き気に、咳が止まらない。
 胃液が込み上げてきて、シーツを汚した。

「手間かけさせるから痛い目にあうんだ。これ以上、殴られたくなかったら、大人しくするんだな」

 痛みと吐き気に訳がわからないまま、足をつかまれて広げられた。

 頬骨がズキズキ痛い。痛くて何も考えられない。

「なんだ、ケツの孔、もう濡れてるじゃねーか。用意万端ってか。すげーな親父のヤツ、調教は完璧ってわけだ」

 俊樹は性器を取り出すと、数回自分の手で陰茎を擦った。 
  
「じゃあ、まあ遠慮なく行かせてもらうぜ」

 まだ痛みで躯を強張らせている彬也のアナルに、俊樹は一気に欲望を捩じ込ませた。

「うあぁああ────っ!!」

 乱暴な挿入に、彬也が悲鳴を上げる。
 無理矢理に開かれる恐怖。
 内臓を競り上げる圧迫感と、痛み。

「アアッ……ヤメッ……抜いてっ……」

 自分の中に押し入ってくる凶器に、彬也はただ恐怖した。

「くうっ……キツッ……彬也っ……ちょっとは緩めろっ!!」

 パチンッと太ももを叩かれる。白い肌は見る見る赤く染まった。

「無理ッ……アァアアッ……無理ッ……」

 痛みで躯が強張っていた。痛みと恐怖で、彬也の躯は自分でも思うように動かない。

「ちっ……しょうがねーな」

 俊樹は舌打ちすると、彬也のペニスを握った。やんわりと掴んで上下に扱く。

「アッ……ああっ……」

 彬也の躯が次第に弛緩してゆく。
 
 先端から先走りが溢れ、俊樹の手を汚して、手をスライドする度にチュクチュクと卑猥な音が立つ。

 俊樹のペニスを締め付けるほど緊張は弛んでいた。

「感じてんのか?」
「ちがっ……か、感じてないっ……」

 緩急をつけて扱かれると、そこから熟れるような快感がじんわりと拡がっていく。

 だがそんな事実を認めたくなくて、彬也は嘘をついた。

「嘘をつけ、さっきからギュウギュウ俺のチンコ締め付けてくるくせに……」

「ちがうっ……もう、抜いて……お願い……」
「ば〜か、今更やめれるかよ。お前だって本当は欲しいんだろ」

 俊樹の腰が捏ねるように、ゆっくりと揺らす。

「やぁああっ……動か……ないでっ……」

 内壁を擦られると、ゾワゾワするような快感がじんわりと拡がっていく。

 さっきまでの乱暴さが嘘のように、俊樹はゆっくりと腰を動かした。

「アァアアアッ!!……ダメっ……ダメッ!!」

 俊樹のペニスは泰典よりも太くて堅かった。

 これは違う、泰典のものではないのに、躯は快感を感じでいた。

「イヤァアッ……ヤメッ……あっ、あぁあんっ……」

 前立腺を括れの部分で擦られて、ゾクゾクッと這うような快感が走った。

 ビクッビクッと躯を跳ねる様子を見て、俊樹は口角を引き上げる。

「いいぜ……お前の中。熱くて……キツクて……気持ちいい……」

 嫌だった。
 こんな男の性器で感じるなんて嫌だった。

 それなのにペニスをちょっと弄られて、敏感なところを擦られただけで感じていた。

 躯の奥からズクズクと燻るように切なく疼いて、もっと刺激がほしいと、貪欲に劣情を欲していた。

 


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