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「アアッ!……ヤメッ……痛いっ、痛いよぉ……」

「痛いだけじゃねーだろ。この淫乱がっ……打たれても感じてんだろうがっ……」

 バチンッ、バチンッと皮膚を打つ音が何度も部屋の中に響き渡り、その度に、悲痛な悲鳴が上がった。

「アアッ……ヒッ……アァアアゥアアッ!!」

 確かに彬也は痛み以上の快感を感じていた。
 灼熱で奥まで穿たれて、擦られて、突上げらる度に、脳髄まで溶けてしまうような快感が、体中を駆け巡る。

 この快感を与えてくれるなら、その痛みさえ感受できるような気がした。

 叩かれる場所は、元は白だったことも分からないほど、鮮やかな赤に変っていた。

「アァアアアッ!!……ヒィっ……アッ、ヒィイイイッ!!」

 すでに彬也は獣の泣き声のような嬌声しか、その口脣から紡くことはなかった。  
   
 ◇

 口の中にも、尻の中にも、何度も何度もペニスが挿入された。

 苦しい────。

 躯がマリオネットのように、上へ下へと操られて。

 揺すられて……揺すられて……。

 苦しいのか、痛いのか、それすらも、もう解らない……。

 ただ躯が熱くて……熱くて……。
 
 どうにかして欲しくて堪らなかった────。

 ◇

「ああっ……してっ……もっと……お願い……おチンチン……ちょーだい」

 彬也の躯は精液まみれだった。
 
 躯は泥のように疲れていた。なのに、躯の奥の疼きは飢えにも似て、気が狂うほど刺激が……快感が欲しくて堪らなかった。

 萎えた男の股間に顔を埋め、懸命にしゃぶるが、すでに三度射精した男のペニスはなかなか凝らない。

「すげーな、お前は底の無しのド淫乱だな」

 岩永の嘲りの声は、どこか遠くのようにしか聞こえなかった。
 そんなことより、早くお尻に強い刺激が欲しかった。

 熱くて硬くて太い男性器にお尻の中をズコズコと擦って、いっぱい奥まで突いて欲しかった……。

 彬也は必死にしゃぶるが、男の陰茎は萎れて柔らかいままで、堪らなく狂おしくてもどかしかった。

「いやぁ……おチンチン、ふにゃふにゃ……」

 口からこぼれてしまったペニスをせつなそうに見つめて彬也がいった。

 これには他の三人も流石に失笑する。

「おい、岩永。彬也ちゃんがフニャチンでがっかりだってよ」

「うっせーぞ、東っ。んなこと言うならてめーが代わりやがれっ!」

「んっー、流石に俺もちょっとまだ充電しねーと無理っぽいかな。おい、俊樹。このネコちゃんで遊ぶ玩具とかねーのかよ」

「ああ、それ俺も捜してんだけど……ちょっと待ってろよ」

 そういうと俊樹は部屋を出ていって、しばらくすると帰ってきた。

「向こうで面白いもの見つけたぜ」

 そう言って俊樹が手に持っているのは、以前泰典に一晩中責められた極太のバイブだった。

「なにそれ、めちゃくちゃデケ−じゃんっ!!」

 直系が5センチほどもありそうな、グロテスクなそのバイブを、愉しそうに岩永が取り上げる。

 スイッチを入れると、ゴゴゴゴゴ────ッと派手な機械音を立てながら、ウネウネと黒い茎をうねらせる。

 特に、根元のブツブツが波打つように凸凹と動くのが卑猥だった。

「つーか、こんなの挿れてるんだ彬也ちゃんって。そりゃ、底なしの淫乱にもなるよなー」

 嘲け笑う岩永の言葉も、今の彬也には聞こえない。

 それよりも、岩永のもつバイブに視線は釘付けだった。うっとりと黒い玩具を見つめて、ゴクリと咽を鳴らした。

 


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