温泉

 04

「なぁ〜に、腸の中がうんちだらけでも、ちゃんと綺麗にしてやるから心配することはねーよ」

 後藤の指示で幸太は湯舟から上げられた。

 コンクリの打つけの床にビニールマットが敷かれると、幸太はそこに寝かされた。

 仰向けで腰だけを高く上げた格好にさせられる。いわゆるマングリ返りの格好だ。

 そして後藤が持って現われたのは、大きな浣腸器だった。

「さあ、今からこれでお前のお腹を綺麗にしてやろう」

 幸太の表情が青ざめる。

 それは1リットルは薬剤が入りそうな太くて大きな浣腸器だった。

「やっ……やめてっ……やぁあああっ!!」

 迫ってくる浣腸器に、幸太は恐怖に震えて叫んだ。

 悲痛な叫びが温泉に響く。

 しかし無情に後藤は浣腸器を刺した。

「はぁううっ……」

 幸太の顔が苦痛に歪んだ。

 たっぷりと入った薬剤を後藤はゆっくりと注入していく。

「ああ……いやぁ……」

 弱々しい声で、幸太が拒絶する。

 だが後藤の手はゆっくりとだが制止することなく沈めていく。

「無理ッ……もう、やめてっ……苦しいよぉ……」

 まだ五分の一ほどで幸太は弱音を吐いた。

「どうした、までこれだけしか入ってないんだぞ」

 後藤が指差したほんの少しの量に幸太は絶望する。

 もしかして、あの薬剤を全部入れるつもりなのだろうか?

「やだっ……入らないっ……そんなの入らないっ」

 幸太は涙目になりながら訴える。

 それだけでも凄く苦しかった。あんな沢山の薬を入れられたら、お腹が破裂して死んでしまう。

「もちろん入るさ。坊やが思うより、人間の躯っていうのは柔軟に出来ているだぜ」

 そのうちに幸太のお腹が膨れてきた。

「もう……やめて……お願い……」

 恐怖と苦痛に青ざめ、大きな瞳を涙で潤ませながら、幸太は弱々しい声で哀願する。

 しかし、男は聞こえてないかのように、薬液を幸太の中に流し込んでいく。

 幸太のお腹がまるで妊婦のように膨れてきた。皮がパンパンに張っていまにも裂けそうだ。

「もう……無理っ……むりっ……」

 幸太が苦しそうに喘ぐ。目尻から涙が溢れて止まらなかった。

「よし、よし、もう全部入ったぞ」

 男達は手を叩いて喜んでいた。

「お腹……痛いっ……もう、出したい……」

 幸太の腸はギュルギュルと音を立てて蠕動していた。

「まだまだ、お腹に液が回るまで、もう少し我慢だ」

 我慢なんて出来なかった。お腹が痛くて堪らないのだ。

 幸太の額からは、脂汗が滲みでている。

「苦しいっ……お願い……助けてっ……」

 切れ切れの声で訴えるが、男達はニヤニヤと笑うだけで、助けてはくれなかった。

 いや、それどころかどこからか手が伸びてきて、幸太の腹を触る。

「やだっ……触らないでっ……出るッ、出ちゃうよぉ……」

 少しの刺激だけで、破裂してしまいそうだった。
 それなのに、次から次へ手が伸びてきて、パンパンになっている幸太の腹を撫でるのだ。

「いやっ……いやぁああっ……」

 幸太の瞳が虚ろになって、躯が小刻みに痙攣しはじめてた。

 男はようやく、幸太から浣腸器を抜いた。

「さあ、お望みどおり、出させてやるよ」

 抜いた瞬間、噴水のように幸太の肛門から薬液と汚物が吹き出した。

「アアッ────ッ!!」

 その後に凄まじい破裂音と共に、薬液と汚物の混じった茶色い液体が出てきた。

 ブリッ、ブリュブリリリリリッ、ブホッ、ブチュブチュブチュ。

「アアッ……いやっ……見ないで、イヤァアアっ!!」

 それはなかなか止まらなかった。激しい破裂音を立てながら、肛門から噴き上がる。それは幸太は躯のみならず、顔にも掛かった。

 だがそれ以上に、大勢の人間の前で、酷いオナラをたてながらウンチを垂れ流す姿を見られるのが堪えられなかった。

「うわっ、臭っせー、臭っせー!!」
「坊や、お腹にどんだけウンコ溜め込んでるんだ」
「クソの噴水だぜ。汚ねーっ!」
「おおっ、でるでるー、止まんねーな」

 男達が幸太を嘲笑う。

「ううっ……」

 気が狂うほどの羞恥と屈辱に、幸太のギリギリで堪えていた理性が壊れた。

「うええっ……ひっく……うぁあああっ……」

 声を上げて泣いてしまった。

「幸太ッ、幸太ッ────!」

 父親の声の叫ぶ声がする。

「あ〜あ、泣いちまいやがったぜ。どうすんだ。まるで、俺らが酷いことしてるみたいじゃねーか」

「いや、十分非道だろっ!」

 男達はくだらない冗談を言って笑う。

「うるせーな、どうすんだ後藤?」

 男の言葉に後藤はニヤリと笑った。

「な〜に、すぐに泣き止むさ。なあ、坊や次はもっとたっぷり入れてやるからな」

 後藤の手には再び、いっぱいに満たされた浣腸器があった。

 それを見た瞬間、幸太は青ざめて息を飲んだ。

「ほら、泣き止んだだろ。さあ、もう一回だ坊や。前ら、お湯ぶっかけてキレイにしてやれ」

「いや……いや……」

 幸太は恐怖をべったりと貼付けた表情をして、震えながら首を振った。

 そんな幸太に男達がザバザバとお湯をぶっかける。

 口や鼻にお湯が入って、幸太は噎せた。

「さあ、坊やが逃げ出さないようにしっかりと押さえ付けとけよ」

 幸太の躯を四人掛かりで押さえ付ける。

「イヤァアアアア────ッ!!」

 空気を裂くばかりの悲鳴に、誰かが口を押さえる。

 身動きも、声さえ封じ込められて、幸太はガタガタと震えるばかりだった。

 後藤が自分の肛門に浣腸器を突き刺すのを見ていることしかできなかった。

 


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