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Real 38 気がつくと風呂の中だった。 シャワーの温かなお湯が自分に掛けられていた。 俺の躯は指一本も動かないほど疲労している。 「大和……」 後ろで大和が支えていなかった座ることさえままならない状態だった。 「辛かったか?」 大和の言葉に俺は素直に頷いていた。 「俺を裏切るやつには容赦しない。分ったか」 俺は再び頷いた。 「じゃあ、もう二度と俺から逃げないな」 もう一度、頷く。 「よし。だったらもう赦してやる」 大和の口から赦すと言われた瞬間に、胸が熱くなった。 その気持ちがなんなのかは、よくわかない。 解放される喜びなのか。 ただ狂おしいほどに、なにかが溢れてきて、胸が苦しい。 「……隆一? なんだ、泣くほど辛かったのか?」 俺は首を振った。 いや、辛いのはすごく辛かったのだけれど……。 「けど、隆一が悪いんだからな。俺から逃げようなんてしなかったら、あんなことするつもりなかったんだ」 拗ねたような口調で大和は言う。 俺をこんな辛い目に合わせたのは目の前の張本人だというのに、不思議と怒りはなかった。 「一体、俺のなにが不満なんだ。いつだって隆一には優しくしてやったろ」 そうだ、それこそ暴力的だったのは最初の夜だけだった。 「女よりも、ずっと俺の方が気持ち良くしてやってるだろ。もうこんなエロい躯、普通の女じゃ満足できないぜ」 比べるもなにも、大和のセックスと芽衣のものとでは雲泥の差だった。 彼女とのセックスは一方的に奉仕を求められるばかりで、気持ちいいと思うのは射精する数分ほどだ。 だた俺は彼女が好きだったし、彼女を気持ち良くさせるだけでも嬉しかった。 「俺より、あの女がそんなにいいわけ?」 大和にそう言われて驚いた。 そう言えば、芽衣のことはずっと頭から消えていた。 芽衣の事より何よりも、俺の頭は司のことでいっぱいだったのだ。 「それより、そんなに司のことが気になるわけか?」 俺は目を見開いた。 「お兄ちゃん、顔に出過ぎ。考えてることなんてすぐに分かるって。アイツも、もういい歳なんだぜ。いいかぜん干渉するのやめたら。あんたがそうやって追い詰めるからあんな風に暴走したんだぜ」 そう、なにもかも大和の言うとおりだ。 「俺は……司に、謝りたいんだ。赦されないって分ってても、それでも司に謝りたい」 今になって、自分がどれだけ司を傷つけてきたかがわかった。 今更謝って赦してもらおうなんて、都合のいいことは思わない。ただ、少しでも司の傷が癒されればいいと思った。 「それって、本当に司の為? 司が隆一に謝って欲しいなんて考えてると思うか? 司に謝って一番楽に思うのは隆一の方だろ」 大和の言葉は胸に突き刺さった。 「隆一に謝ってもらって許せるような単純な気持ちじゃあ、自分のにいちゃんを輪姦させようなんて思わねーだろ。アイツだって、二度とあんたと顔を合わせないぐらい腹のづもりでやったはずだ。それを今さらのこのこ出ていって謝ったところで、司の気持ちを逆撫でするだけだろ」 「俺は……俺は……」 一体どうしたらいいんだろう……。
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