Real

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「なにもしなくていいんだよ。報復はもう十分受けただろ。今はそっとしてやれよ。あいつだって子供じゃねーんだ。自分でちゃんと立ち直る。それであいつが落ち着いたら、今の隆一の気持ちを教えてやればいいんだ」

「大和……」

 年下の男に諭されるなんて、変な感じだった。

「それで、隆一の傷は俺が癒してやる」

 大和の口脣が近づいてくる。

 俺は逃げなかった。

 それはいつもみたいに荒々しいものでなく、優しい口づけだった。

 最初はまったく大和のことが分からなかった。

 唐突で強引で、無邪気かと思えば冷酷で。恐ろしいほど怖いと思えば、急に優しくなる。

 いや、今だって理解しているとは言い難いが……。

 思っているほど悪い男ではないらしい。

 そして、大和も俺と同じぐらい一人だった。

「隆一……俺にしとけよ。お前が裏切らないかぎり、優しくしてやる。司のことも女のことも忘れるぐらい、可愛がってやるからさ……」

 ニッと笑う大和は、年相応に幼く見えた。

「俺なんかのどこがいいんだよ」

 自分が大和にほだされているのは分かる。

「だから、全部好みだって言っただろ。躯も相性がいいし、ちょっと気が強くて、でもお人好しで、俺の周りにはいないタイプなんだよな〜。それに……俺も司みたいに一途に思われたい」

 どうしてあんなに酷いことをされたのに、こいつのことは憎めないんだろう。

「なあ、隆一。俺が好きだって言えよ。そしたらコレ抜いてやる」

 ニヤッと笑って、大和は隆一のペニスを持ち上げる。

 そこにはまだ綿棒が刺さったままになっていた。

 乳首もペニスも強い刺激を与えられ過ぎたのか、今は感覚が麻痺したみたいで、言われるまでまったく気がつかなかった。

「なっ……抜けよっ」
「だから、好きって言えば抜いてやるって言ってるだろう」

 大和は俺の反応をニヤニヤと愉しそうに見つめるいる。

 俺は大和を睨みつける。
 
「ホント、隆一って懲りねーよな。まあ、そこもいいんだけど。けど、俺がどうするかぐらい分ってるだろ」

 大和の手が綿棒の先を摘むのを見て俺は青ざめた。

「やめっ……アァアッ!!」

 制する言葉を言い終わらない中に、大和の指が上下に動く。

「ヒッ……ヤァ……ヤメェ……アァアアッ!!」

 既に敏感になりすぎている尿道は、ほんの小さな摩擦でも、鮮烈な快感を生む。

 この疲れ切った躯にはその快楽にも悲鳴を上げる。

「ヤァアっ……アァアッ……!!」

 嬌声さえも弱々しく、目尻から涙を流し、ただ拷問のような愛撫に喘ぐ。

 大和の手が止まると、力つきたようにぐったりと大和の躯にしなだり掛かる。

「なにも考えるな。隆一はただ俺に可愛がられていりゃいいんだよ。俺を好きだって言えよ。そしたら何も考えられないぐらい、ずっとこうやって気持ち良くしてやるよ」

 耳元で囁かれているだけなのに、躯の奥がズクズクと疼く。

 まるで悪魔の囁きのように、大和の言葉は魅力的だった。

 司のことを思うと辛くて堪らない。

 きっと司はもう俺を許すことはないだろう。

 それがどうしようもない事実だとわかっていても、認めたくない。知りたくない。

「司のことなんて忘れさせてやる」

 それは抗うことができないほどの魅惑の林檎だった。

 甘ずっぱい匂いの赤く熟れた林檎。

 それを一口かじれば、この苦しみから逃れられると言う。

 


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