|
Real 39 「なにもしなくていいんだよ。報復はもう十分受けただろ。今はそっとしてやれよ。あいつだって子供じゃねーんだ。自分でちゃんと立ち直る。それであいつが落ち着いたら、今の隆一の気持ちを教えてやればいいんだ」 「大和……」 年下の男に諭されるなんて、変な感じだった。 「それで、隆一の傷は俺が癒してやる」 大和の口脣が近づいてくる。 俺は逃げなかった。 それはいつもみたいに荒々しいものでなく、優しい口づけだった。 最初はまったく大和のことが分からなかった。 唐突で強引で、無邪気かと思えば冷酷で。恐ろしいほど怖いと思えば、急に優しくなる。 いや、今だって理解しているとは言い難いが……。 思っているほど悪い男ではないらしい。 そして、大和も俺と同じぐらい一人だった。 「隆一……俺にしとけよ。お前が裏切らないかぎり、優しくしてやる。司のことも女のことも忘れるぐらい、可愛がってやるからさ……」 ニッと笑う大和は、年相応に幼く見えた。 「俺なんかのどこがいいんだよ」 自分が大和にほだされているのは分かる。 「だから、全部好みだって言っただろ。躯も相性がいいし、ちょっと気が強くて、でもお人好しで、俺の周りにはいないタイプなんだよな〜。それに……俺も司みたいに一途に思われたい」 どうしてあんなに酷いことをされたのに、こいつのことは憎めないんだろう。 「なあ、隆一。俺が好きだって言えよ。そしたらコレ抜いてやる」 ニヤッと笑って、大和は隆一のペニスを持ち上げる。 そこにはまだ綿棒が刺さったままになっていた。 乳首もペニスも強い刺激を与えられ過ぎたのか、今は感覚が麻痺したみたいで、言われるまでまったく気がつかなかった。 「なっ……抜けよっ」 大和は俺の反応をニヤニヤと愉しそうに見つめるいる。 俺は大和を睨みつける。 大和の手が綿棒の先を摘むのを見て俺は青ざめた。 「やめっ……アァアッ!!」 制する言葉を言い終わらない中に、大和の指が上下に動く。 「ヒッ……ヤァ……ヤメェ……アァアアッ!!」 既に敏感になりすぎている尿道は、ほんの小さな摩擦でも、鮮烈な快感を生む。 この疲れ切った躯にはその快楽にも悲鳴を上げる。 「ヤァアっ……アァアッ……!!」 嬌声さえも弱々しく、目尻から涙を流し、ただ拷問のような愛撫に喘ぐ。 大和の手が止まると、力つきたようにぐったりと大和の躯にしなだり掛かる。 「なにも考えるな。隆一はただ俺に可愛がられていりゃいいんだよ。俺を好きだって言えよ。そしたら何も考えられないぐらい、ずっとこうやって気持ち良くしてやるよ」 耳元で囁かれているだけなのに、躯の奥がズクズクと疼く。 まるで悪魔の囁きのように、大和の言葉は魅力的だった。 司のことを思うと辛くて堪らない。 きっと司はもう俺を許すことはないだろう。 それがどうしようもない事実だとわかっていても、認めたくない。知りたくない。 「司のことなんて忘れさせてやる」 それは抗うことができないほどの魅惑の林檎だった。 甘ずっぱい匂いの赤く熟れた林檎。 それを一口かじれば、この苦しみから逃れられると言う。
← / → / 戻る / Top |