Real

 40

「もうお前は苦しまなくていい」

 ほろりと涙が溢れた。
 
 本当にもう、俺は苦しまなくてもいいのか?

 あの夜から、ずっと罪悪感に苛まれていた。

 つらくて苦しくて……。
 だけど、それが自分への罰だって思ってた。

「もう十分お前は苦しんだだろ。そろそろ許してやれよ」

 いや、ダメだ。
 やっぱり、俺は自分の罪を許してはいけない。

 だけど……。

「本当に司のことを忘れさせてくれるのか?」

「そう言っただろ」

 当然というような笑みを浮かべて大和は言った。

 力強いその眼差し、図太い神経と野性的な体躯。

 なにもかも適わないと思った。

「………スキ……だ」

 俺はそう呟いていた。

 今は……今だけは何も考えたくない。

 この男ならきっと司のことを忘れさせてくれる。その思いが俺に言葉を吐き出させていた。

 大和は唖然としたように目を見開く。

「もう一回、ちゃんと俺の名前を呼んで言ってくれ」

 それは驚くほど真摯な目で語っていた。
 
 俺は戸惑いながらも、もう一度繰り返す。

「大和が……スキだ」

 そう言った瞬間の大和の笑顔に息を飲む。

「よし、言ったな。忘れんなよ。隆一はもう俺のもんだ」

 ぎゅっと強く抱き締められて、俺の胸がチクリと痛んだ。

 無理矢理言わせたくせに、どうしてそんな嬉しそうに笑うんだ……。

 強く強く抱き締められて、深く口づけられた。

 唾液が混ざり合うようなキスは、これが初めてではないはずなのに、なぜか頭がクラクラして、快感を感じていた。

「隆一……これからたっぷり時間をかけて心も躯も全部、俺の色に染めてやる。お前のアナルが俺のチンポの形に変わるまで犯してやるからな」

 耳元で囁かれた。

 ゾクゾクとした粟立つ感覚が背筋から這い上がってくる。

 俺は自分の躯の力が抜けて行くのを感じた。

「大和……」

 自分の口から出た声が、信じられないぐらいに甘かった。

 散々いかされて、もう指一本も動かしたくないほど疲労しているのはずなのに、躯の奥がズキズキと疼く。

「そんな顔すんなよ。今すぐお前の中にぶち込みたくなるじゃねーか」

 どうやら大和でも気遣うことがあるらしい。

 こうゆう時こそ有無も言わさず、襲えばいいのに。

「いいから……欲しい」

 今すぐ大和の熱が欲しかった。
 こんなことは初めてだ。

「そんな俺を煽って、知らねーぞ」

 俺はただこくりと頷く。

 大和は俺を体面座位にして、ゆっくりと俺の中に自分の昂りを埋めて行く。

 彼の性器はいつもよりずっと太くて硬い感じがした。

 俺の腕を彼の首に廻させると、捕まっていろと言われた。

「動くぞ」

 これから与えられる熱情の期待に襞が無意識に締まる。 

「まだ早えーよ」

 大和がクスリと笑ったとたんに突上げられた。

 


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