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Real 42 最初から両親には見限られていた。 最愛の弟は、俺自身が深く傷をつけてしまった。きっともう修復はできない。 彼女は……芽以は一週間の間は怒濤のようにメールや電話を掛けてきたものの、放置していたらピタリと止まった。 俺自身も彼女に思うものはなにもなくなっている。 きっともう彼女は俺の代わりの恋人を作っているだろう。 彼氏が一ヶ月もいないことなんてなかったのよ。と芽以はそう自慢していたから。 彼女にとって俺は替えの利く人間なのだと、今になればわかった。 こんなに俺という人間を求めてくれるのは大和だけだ。 その方法も手段も強引で変質的で犯罪そのものだったが、今の俺にとっては、それすら特別なのだと思ってしまう。 誰もいらない俺を、大和だけが欲しいと言った。 だったら大和が俺をいらないというまでここに居てもいいような気がしていた。 「よお、起きたか?」 隣にいないと思っていたら、どうやら風呂に入っていたらしい。 パンツを一枚履いただけの格好で、髪をタオルで拭きながら部屋に戻って来た。 「なあ、腹へらねぇ? ピザでも頼む?」 もうピザもケータリングのイタリアンもカップヌードルもコンビニ弁当もうんざりだった。 「買い物に行きたい……ちゃんとしたメシが食べたい」 「なに、まさか隆一がメシ作ってくれんの?」 喜ぶ大和の顔になぜか胸がざわつく。 「お前の為に作るんじゃないぞ」 「どうゆう理由だって、隆一が作ってくれるなら嬉しいよ」 二カッと大和が笑うとやけに幼く見える。腹立たしいのに憎めない……。 こんなのは詐欺だ。 「外に出てもいいのかよ」 逃げないと言っても、まだ大和は俺をここから出してはくれなかった。 「俺が一緒ならな」 「って、お前も一緒に買い物に行くのかよ」 スーパーに大和の姿はきっと目立つ。大和はファッションも体格も整った顔立ちも、全てが規格外だった。日常的なスーパーにはきっと浮きまくりに違いない。はっきりいって連れて歩きたくない。 「お前、スーパーだぞ。主婦とか普通のおばちゃんが買い物するところだぞ。お前が行って楽しいことなんてないぞ」 大和は俺の顔色を見て、ニヤリと笑った。 「俺は気にしないぜ。隆一とのデートだって思えば、どこでも楽しいし」 デートという言葉に絶句する。 「まあそれに。隆一を一人で外になんて出せるかよ」 「俺ってそんなに信用ないのか」 「隆一を信用していないんじゃない。俺が不安なんだよ」 大和が? 「お前が不安なんて感じるのか?」 この傍若無人で唯我独尊の男が? 「俺だって人間だぞ。不安にもなるさ。特に隆一のことはダメだ」 大和はそう言って俺を抱き締めた。 「お前人間だったのか?」 なんとなくこれ以上重い会話を続けてはいけない気がして冗談にした。
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