Call

 02

「今日は私達にもたっぷり愉しませてくれるんだろう?」

 次に大西と呼ばれた男が僕の肩に触れる。

 淫ら……?
 愉しませる……?

 一体彼らは何を言っているんだ?

 僕の混乱は更に増すばかりだった。
 そして、彼らの視線が一様に嬲るようないやらしいもので、嫌悪に震える。

「もちろん。皆様にもたっぷり、私の人形がどれほど淫らで素晴らしいか味わって頂くつもりですよ」

 そう言った染谷の表情は、見たことのないような醜悪な笑みを浮かべていた。

 全身が震え、頭の中で危険の警鐘が鳴り響く。

 逃げなきゃ……と思うのに躯はピクリとも動かない。指先ひとり自由にはならなかった。

「さあ、弘彰。制服を脱いで皆様にその淫らな躯を見て貰いなさい」

 嫌だ――――。
 そう強く思うのに、躯は旨く動かない。それどころか、自ら自分の制服のボタンに手を掛ける。

「いやっ……やめてっ……嫌だぁ〜〜〜〜っ!」

 自分の思いとは裏腹に、躯が勝手に服を脱いでいく。それはおぞましいというしかない衝撃だった。

 シャツやズボンどころか、下着まで手に掛ける。

「やめてっ、お願いっ、止めさせてっ!」

 染谷に懇願するが、彼はニヤニヤと笑うだけだった。

「そんなに嫌なら、自分で止めればいいだろう」

「止まらないのっ、手が勝手に動いて止まらないのっ!」

 必死で訴えるが、染谷は笑うだけでなにもしない。

 僕は自ら、裸になって彼らの目の前に立たされていた。

「ああ、なんて肌理の細やかな綺麗な肌だ」

 岩崎のが伸びてきて、僕の躯の触る。

「本当に。しっとりしていて、弾力のある瑞々しい肌だ」

 大西も勝手に触れて来た。知らない男達の手が僕の肌をまさぐる。

 やだ……気持ち悪い。

「やめて……触らないでっ!」

 ねっとりとした嫌らしい目で見つめながら、口元は締まりのない笑みを浮かべている。

 いかにもエロジジイというような、男達がいやらしい手付きで僕の胸やお尻をじっとりと触れる。

 恐怖が足元から這い上がり、恐慌をきたした。

「いやっ……やだっ……やめてっ……お願いっ、やめてっ!」

 自分が泣いていることさえも気づかず、僕は拒絶の言葉を吐き続ける。

「弘彰、嫌じゃないだろ。愛撫が大好きな淫乱な躯に触れて貰っているんだ。ありがたく思いなさい」

 染谷の言っている意味が分からなかった。

 この男は一体なにをいってるんだ。

「もっといっぱい、このイヤらしい躯に触れてくださいとお願いしなさい」

 そんなこと、絶対言わない。そう思っているのに、僕の口からは信じられない言葉を吐き出していた。

「もっといっぱい、このイヤらしい躯に触れてください」

「ハハハッ、いやらし〜な弘彰くんは。いいよ、いいよ。おじさん達がたっぷり君の躯を可愛がってあげるからね」

「さあ、まずはその可愛いお口でチュ−してくれるかな」

 岩崎は頭の禿げた、初老の小柄なオヤジだ。紫色のシミのついた汚い口脣をタコのように突き出してきた。

 吐き気がするほど気持ちが悪い。全身がゾワリと鳥肌が立ち、怖気が走る。

 ヤダッ!やだっ、やだっ、やだっ、やだぁ〜〜〜〜ッ!!

「弘彰、さあ舌を出して岩崎さんにキスして貰いなさい」

 染谷の言葉に僕は自ら顔を突き出して、絶対の絶対に嫌なのに、その言葉に逆らえず言われるままに舌を出した。

 


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