狂熱

 03

「嫌だ嫌だって言ってるくせに、随分気持ちよさそうじゃないか」

 悔しくて堪らない。
 だが、俺の躯は快感に震え、口脣からは反論どころか、甘い喘ぎしか溢れない。

「アァアッ……ヤァア……」

「嫌じゃねーだろ。乳首を弄られただけで、もうチンポおっ勃てて、いやらしい液まで漏らしてるくせに」

 白石の言うとおり、俺の股間の陰茎はむっくりと起き上がり、先からは透明な雫が溢れて伝っていた。

 足を大きく広げられて固定されているせいで、隠すものはなにもなく、俺の腰が揺れる度に、不様にゆらゆらと揺れていた。

「男に弄られるなんて気持ち悪いだけなんだろう。それなのに、どうして匠のコレはこんなになっているんだろうな?」

 クスクスと笑いながら、黒沢は俺の亀頭をやんわりと握った。蜜口を親指の腹で撫でられる。

「ヒィうぅっ……やめろっ……触んなぁあ……アアッ……」

 急激に、黒沢の握る急所に熱が集まるのを感じる。

「男に触られても、感じるんだ?」

「違っ……アァアアッ!!」

 尿道に爪を立てられて仰け反った。

「凄いな、まだ頑張るんだ。まあ、そりゃそうだよな。こんなの序の口だし、加藤と坪井がちょっと乳首を弄っただけだもな。俺も牧瀬も見ているだけじゃつまらないし……匠は男になにされても感じないらしいから……これから皆でたっぷり可愛がってやるよ」

 そう言って微笑む白石の目は欲情にザラついていた。

 いや、白石だけじゃない黒沢も牧瀬も加藤も坪井も、皆、いつも見せたことのないような好戦的な表情だった。

 ゾクリと背中に冷たいものが走る。

 これは捕食者の目だ────。
 
 俺は本能にも近い感覚で、自分が彼らに食べられてしまうことを感じ取った。

 恐怖が俺の血の気を失せさせる。

「嫌だっ……いやっ……止めて……」

 躯がブルブルと震え出す。

「怖いことなんてしないさ。皆、お前を愛したいだけなんだ……」

 嘘だっ!!
 こんなの愛なんかじゃないっ!!

「そう、お前が嫌だというなら、挿れたりなんてしない。お前が欲しいって言うまではな……」

「言わない……そんなこと絶対言わない……」

 震えながらも俺は反抗した。
 それは、きっと俺の最後の矜持だ。

「ああ、いいとも。言わなければ、ずっと俺達に可愛がられるだけだらからな」

 ニヤニヤと楽しそうに白石が言った。

「それと……いいものを付けてやるよ」

 牧瀬が取り出したのは腕輪より、もっと小さな輪っかだった。

「匠も男に触られて、射精なんてしたくないだろ。だから、止めてやるよ」

 それがなにかを知ってゾッとした。   

「嫌だっ!!……止めろっ……止めてッ……ヤダァアアッ!!」

 牧瀬が俺の陰茎の根元にそれを嵌めていくのを見ながら、必死で懇願した。

 結局、がっしりと嵌められてしまった、そのコックリングを見て、俺は泣いてしまった。

「酷い……」

「男に触られても感じないなら、リングを嵌められようがなかろうが、関係ないだろ」
  
 平然と牧瀬は言った。

「今すぐ、お前が俺達のものになるって言うなら、外してやってもいいんだぜ」

 俺は震えながら否定した。

「嫌だっ……絶対にお前達のものになんてならないっ!!」

 これから自分がどんな酷い目にあうのか分っていても、それでも自分を裏切ったこいつらに心まで明け渡したくはなかった。

「いい根性だ。お前のその意志がどこまで持つか、じっくりと観察してやるよ……」

 五人の手が俺の躯に伸びてくる。
 その恐怖に、俺は悲鳴を上げた……。


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