狂熱

 04

 チュパチュパと誰かが俺の右乳を吸っていた。キツク吸われる度にジクジクと疼くような快感が腰に走る。

 左の乳首は痛いほどに引っ張られて、抓られている。痛い、痛くて堪らないのに、それだけでない甘い疼きを生んでいた。

 口の中にも、ヌルヌルとした舌がずっと這っていた。
 口蓋や歯列を舐め取り、舌を吸われる。ずっとヌチュヌチュと口内を掻き混ぜられ、混ざった唾液は口元から溢れ、胸元を濡らす。

 敏感な耳にまで舌を入れられ、背筋がゾクゾクする。

 そして、塞き止められてはち切れそうなペニスはひっきりなしに誰かに銜えられていた。

 絶えず体中を、誰かの舌や手が這っている。
 
 狂いそうだった――――。

 やめてっ……許してっ……その言葉も吐くことすら許して貰えず、ただ与えられる快感が身の内で燻り続け、凶暴な嵐のように荒れ狂う。

「アァアアッ……ンンっ……アアッ!!」

 口元の隙間から漏れる嬌声でさえ、すぐにヌルリとした舌に絡めとられる。

 俺はヒクヒクと断続的に痙攣しながら、涙を流した。

 それだけしか出来なかった。

 どれぐらい時間が経ったのか……気がつくと、絶えず触れていた感覚がなくなっていた。

 俺は朦朧とした意識の中で、新鮮な空気を肺に送り込む。

 まるでスイッチが切れたように、強制的に与えられた快感が失せて、俺はホッとした。

「嫌いな男に触られて、随分気持ちよく悦がりまくってたじゃないか、匠?」

 黒沢は嘲笑するように言った。

 俺はその屈辱よりもなによりも、快感の地獄から解放されたことに、緊張が弛んで言葉なんて理解できなかった。

「ホント、あっちこっちひくつかせて、いやらしい躯だぜ」

「これでも、まだ強情を張るのか?」

 白石はそういいながら乳首を抓った。

「アッ、アァアアッ!!」

 腰骨へと快感が突き抜ける。散々弄られて神経が過敏になっていた。  

 散々、快感を与えられても、射精を塞き止められている躯は、絶頂を与えられないままで、奥がずっと疼いた。

「やめてっ……もう……触らないで……」

 あれほど泣いたのに、俺の涙はまだ枯れずに頬を濡らす。

「なら、分っているだろう。なにを言えばいいのかって……」

 牧瀬の顔が近づいて、俺の口脣を舐めた。
 深く舌を入れられて、口付けられる。

 俺彼らの与えられた口づけて、口内がこんなに敏感なものだと初めて知った。

「んっ……ふぅん……アンッ……」

 牧瀬の口脣が離れる頃には、俺の口元は違いの唾液でたっぷり濡れていた。

「ココもこんなにパンパンに膨らませて……苦しいんだろう?」

 根元を塞き止められた俺の陰茎は、鬱血し赤紫色になって、血管がクッキリと浮き出ていた。

 皆の唾液と漏れ出た精液でテロテロに光ってグロテスクで気持ちが悪い。

 だが、それを加藤は躊躇なく触れて撫でる。

「ヤメッ……触らないでっ!!」

 そこへの刺激が快感と同時に苦痛を与えた。

「嫌いな男に触られて、こんなにチンポを勃起させるなんて、匠はとんだ変態だな」

 加藤は罵りながら、手をスライドさせる。

「イヤァアアッ!!……ヤメテッ!!……痛いのっ……達くっ……やぁぁああっ!!……達きたいっ!!……ヤァアア!!」

 もう、これ以上は無理だった。
 
 躯も頭も、俺の中のすべてが射精するこしか考えられなかった。

「なるからっ……皆のものになるからぁ……だから……達かせて……達きたいっ……アァッ!!」

 俺はそう叫んだ。

 もう、プライドもなにもなにもかもがボロボロで……この身体の奥の熱を解放してくれるなら、なんでも縋り付きたかった。


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