狂熱

 05

「匠……」

 加藤の手が止まる。
 さっきまで意地悪な顔で、俺を責め立てていたくせに、今は優しい目をしていて、俺はドキリとする。

「本当に、俺達のものになるんだな」

 もう一度確かめるように尋ねたのは、黒沢だった。

 選択権など、最初から与えてないくせに、こいつらは俺の口から言わないと気がすまないのだ。

 だが、俺にもう反抗する気力はない……。

「……お前達のものになるから……もう、許して……」

 わかっても屈辱的だった。
 
「よし、なら俺達全員のチンポに誓いのキスをしろ」

「なっ……」

 言葉にするだけでは足らず、より屈辱的なことを黒沢は要求する。

「いやなのか……?」

 高圧的な口調だった。

 断れば、再びあの地獄が待っている。
 俺は頷くしかなかった。

「よし、じゃあ俺からだ。これからたっぷりお前を可愛がってやるチンポだからな、ありがたくキスしろよ」

 取り出した黒沢の陰茎はすでに勃起して、先走りですでに濡れていた。

 アンモニアと青臭い雄の匂いと、生々しいグロテスクな性器に俺は嫌悪で吐き気がした。

 いやだ……こんな汚いものにキスなんてしたくない。

 心はどうしようもなく拒絶しているのに、身体の奥は狂おしい疼きと、凄まじい射精感にひっ迫されて、苦しくて堪らない。

「……ううっ……ふえっ……」

 俺は泣きながら、黒沢のペニスにキスをした。

 その瞬間を写真に撮られた。

「やだっ……やめろっ……」

 突然のデジタルのシャッター音に俺は驚き、羞恥を取り戻す。

「これは、証拠だ。お前が誓いを破らないようにするな」

 坪井がデジカメを降ろして笑った。

 これで俺は本当にこいつらの所有物になったのだと思うと、心の底が冷え冷えとして、気が遠くなった。

「さあ、次は俺の番だぜ、匠」

 白石が嬉しそうに、ズボンの前をくつろがして、勃起したペニスを差し出す。

 俺は絶望で空っぽになった心で、男達の性器に次々と口付けた。

 五人全員のペニスに誓いのキスと済ませると、俺達の所有物の証しだと、淫毛を全部剃られた。

「酷い……どうしてここまで……」

 これでは、おしっこするにも個室を使わなくちゃいけない。

「これじゃあ、女どころか男にだって恥ずかしくて見せられないだろ」
 
 俺は誰にも見せたいなんて思ったこともない。
 だが、そんな俺の気持ちなど、こいつらには関係ないことなのだ。

「もういいだろ……お願いだから……達かせてくれよ……」

 毛を剃られる感触ですら、俺の身体は快感を感じていた。

 五人が目を合わせる。

「いいぜ、達かせてやる。そのかわり可愛くおねだりしてみな」
 
 坪井が口元だけを釣り上げて笑った。

 どこまでも俺を貶めようとする彼らに、俺は悔しくて口唇を噛んだ。

「まだ、そんな反抗的な目ができるんだな」

 ギュッと陰茎を掴まれた。キツくはないが圧迫されて、痛くて溜まらない。

「アアッ!!……くぅ……」

「なんならまた、たっぷり可愛がってやろうか?」

 クククッ、と冷笑を俺に浴びせる。

「ヒッ……やめっ……お願いっ……」

 痛みで、呼吸さえもままならない。

「なら、ちゃんとお願いしてみな」

「達かせて……お願い……」
 
 口唇を震わせて俺は哀願した。


/ / 戻る / Top