狂熱

 08

 嫌だ……。
 見るなっ……。
 見ないで……お願い……。

 女のように、孔を犯され感じている自分が、情けなくて死ぬほど恥ずかしい。

「アアッ……アッ、アァアアッ───!」

 だが、声から漏れるのは淫らな嬌声だけだった。

 加藤の指が抜かれた。
 俺はホッとするよりも、突然失せた快感に物足りなさを感じた。

「そんな残念そうな顏するなよ。すぐにもっとイイのを挿れてやるからさ」

 黒沢が俺の耳元で囁いた。

 ガチャガチャと音を立てて、黒沢はベルトを外すと、下着ごとズボンを脱ぎさる。

 黒沢のペニスはすでに腹に付きそうなほど、いきり勃っていた。

「さっきから匠がいやらしい声で挑発するから、下着の中までベトベトだぜ」

 自分のものより、随分太くて大きな屹立に俺は青ざめる。

「無理っ……そんなん、入いらねーっ!!」

 黒沢は亀頭を俺のアナルに擦りつける。

「入るさ……さっきまで加藤のごつい指を三本も飲み込んで、気持ちよくなってたんだから、俺のコレが挿らねーわけないだろう」

 黒沢は自分のペニスにローションを垂らして、なんども入り口に擦りつける。

「やだっ……やめてっ……」

 俺は声を震わせて言った。
 今日なんどもその懇願を口にしたが、一度も叶えられたことはなかった。

 ズブズブッと硬くて熱い性器が、肉を裂いて挿ってきた。

「ヤァアアアア――――ッ!!」

 痛みや苦しみ以上に、男のペニスで躯を犯されている精神的なショックが大きかった。

 ゆっくりと慣らすように黒沢は侵入してくる。

 耐えられないほどの痛みはない。だからこそ、自分を犯す黒沢への羞恥と屈辱に思考回路が焼き切れそうだった。

「くっ……ギチギチだな。やっぱり処女孔は狭いぜ」

 黒沢が苦しげに眉を寄せる。

「もう、ちょっと緩めろよ」

 緩めるどころか自分のことで手一杯だった。

「……抜けっよ……抜けって……」

「ここまできて、止めれる男がどこにいるよ」

 黒沢はそういってグイッと腰を進めてきた。

「アァッ!! アッ、アァアアッ―――!」

 最奥まで深く打ち込まれた灼熱の杭に、俺は苦痛と嫌悪に背を反らせて叫んだ。
 
 男の汚らしい性器が、自分の中に埋められているという屈辱に、再び頬を熱いもので濡らす。

「許さない……お前ら……絶対、許さないからな……」

「そんなもの、最初から覚悟してるさ」

 そう言って、黒沢は少し寂しそうに笑った。

「男に犯されるのがそんなに屈辱か? だが、すぐに屈辱なんて忘れさせてやるよ」

 ずるずると体内の屹立が引き抜かれるおぞましい感触に、肌が粟立った。

 くびれのギリギリまで引いて、すぐにまた最奥まで穿たれる。

「……はひぃ……ぐっ……アァアアッ!!」

 指とは遥かに圧迫感のある性器が、内部を出入りする感覚は、まさに犯されるという形容のままだった。

 嫌だ、嫌だ、嫌だっ!!

 堪らない嫌悪で心はいっぱいのはずなのに、その犯されている場所から、沸き上がる甘く疼くような感覚は、中を擦られる度に、はっきりとした快感へと変わっていった。

 


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