狂熱

 10

 目の前が暗くなった。
 これで本当に自分が男に陵辱されたのだと思い知った。

 まるでぽっかりと心に大きな穴が開いた気がした。

 黒沢が俺から性器を抜いたとたん、次は牧瀬が俺の前に立った。

 すでに勃起した性器を片手で持っている。

 俺はもう抵抗しなかった。
 牧瀬の性器は簡単に入ってきた。

「匠の中……狭くて、熱くてたまんねー」

 恍惚な表情をして牧瀬は言う。
 俺は、何もなにも感じなかった。

「何度も数え切れないぐらい、こうやって、お前の中に挿れることを想像してた……」

 目を細めて牧瀬は微笑む。
 まるで愛しいものを見るように。

「想像よりも、ずっと気持ちいいぜ」

 陶酔するように言いながら、牧瀬はゆっくりと腰を回した。

 俺の躯はすぐに背筋をゾクゾクさせて、快感を感じ始めていた。

 感じたくない……。
 快感なんてなくてもいい……。

 そんな俺の渇望を、この躯は裏切り続ける。

「アッ、んっ……アァッ……」

「匠……凄く……いやらしい顔してる……可愛い……」

 牧瀬のペニスがグチョグチョと俺の中をかき混ぜると、この浅ましい躯は、すぐに細かな快感の波に、ビクビクと震わせる。

「俺のチンポで感じているの?……チンポ擦られて気持ちいい?」

 牧瀬は嬉しそうに俺に尋ねる。俺はなにも返さなかった。

 達しないうちに、黒沢に放り出された躯は、木炭のように、息を吹き掛ければ、くすぶった炎はすぐに燃え上がる。  
 
「すげーたまんね。もう俺、我慢できない……」

 ぼつりと呟くと、牧瀬の動きが突然激しくなった。

「アッ、ヒィイイッ!! アアッ、アァアアッ!!」

 黒沢に散々弄られた前立腺を、牧瀬の剛直が再び抉るように突く。

 また猛烈な快感と苦痛に襲われる。

「匠っ……悦いっ……すげっ……吸い付いてくるみてぇ……」

 ハァハァと息を荒げながら、牧野は激しく腰を突き上げて、敏感な場所を容赦なく責め立てる。

「アッ、アアッ!!……ひぃうっ……アッ、アァアンッ!!」
 
 この快感に飲まれていく。
 脳内麻薬が絶え間なく吐き出されて、心も躯もドロドロに溶かしていく。

「匠の顔すげーエロっ……気持ち良くって堪らないってか?」

 自分がどれほど悦がった顔をしているか、良くわかっていた。

「あんんっ……やめっ……もっ……ソコ……ヤァアン!!」

「嫌じゃねーだろ……こんなにギュウギュウ締め付けて……アンアン悦がって……腰振りまくってんじゃねーか」

「ひぃいいんっ!!……もっ……もうおかしくなぁ……」

「いいぜ……おかしくなれよ。そしたら、俺達が……ずっとこの躯を可愛がってやる」

「アアッ……達かせて……お願いっ……達くっ……達きたいっ……アァアアッ!!」

 狂ったように頭を振り、恥もなく叫ぶ。

 口元から溢れた唾液は、乾くまもなく首筋を伝い、胸を濡らしていた。

 休む間もなく快感のツボを責め続けられ、小さな絶頂が何度も襲う。しかし、射精を禁じられては、いつまでたっても終わりはない。

 永遠の快感地獄だった。

 


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