狂熱

 12

 もうこれ以上は無理だと思うのに、どこまでも貪欲に、俺の躯は快楽を求めていた。

「アンッ……アァ、アンッ!!」

 いつの間にか、自ら尻を振って、その硬い肉棒を欲していた。

「お前の躯が……男無しではいられないように……淫乱でいやらしい躯に……調教してやるからなっ……」

 まるで蔦がじわじわと伸びて、絡み付くように、快楽という名の蔦が俺の躯を締め付ける。

 これが全身に回ったとき、俺はきっとこの悦楽の奴隷になるのだろうと感じていた。

 ◇

 あれから、誰に何度犯されたのか、俺の記憶は曖昧だった。

 気がつくと誰かに犯されていて、いつの間にか、口の中まで犯されていた。

 それも、イマラチオからフェラチオに変わるのもさほど時間は掛からなかった。

 男に犯されるという嫌悪は、快楽に病んだ頭から、いつしか消し飛んでいた。

 楽しみにしていた二泊三日の旅行は、ただ爛れた淫行に耽るのみに時を過ごした。    

 俺は、まる肉塊の孔のように、ずっと皆に犯されていた。

 抵抗したのは、最初の1日だけで(それも、口で嫌がるような素振りをしただけ)あとは、自らも快楽を貪った。

 三日もせずに、俺は彼らの性奴へと堕ちていた。

 ◇

 三時限目が終わった休み時間、俺は黒沢に呼び出されて、西校舎のトイレの個室に連れ込まれた。

 特別室の多い西校舎は人通りが少ない。

 ここに連れ込まれただけで、俺の躯の奥がズクリと疼いた。

 狭い個室に二人で入ると黒沢は待ちきれないみないに、即座にチャックを降ろす。

 性器を取り出したとたんに、舐めろと命令した。

 俺は便器に座ると、すでに何度も銜えた黒沢の性器を躊躇いもなく口に含む。

 耳からも興奮するように、ジュルジュルとわざと大きな音を立てながら吸い付き、口唇と舌で愛撫する。

「もう、すっかりしゃぶるのが上手くなったよな」

 愉しそうに言う黒沢とは裏腹に、俺の気持ちは複雑だった。

 確かに彼らから与えられる快楽に俺は縛られている。
 だが、本当にすき好んでやっているわけではなかった。

 俺はなにも答えずに、夢中でしゃぶっている振りをする。

「まだ、心の底では俺達とこんなことはしたくねーとか思ってんだろ」

 あまりにも的を射た答えに、俺は目を見開いて黒沢を見た。

 黒沢は俺の眉間を指で押さえる。

「ここ、皺になってる。お前、機嫌が悪くなるとすぐにここに皺を作るんだぜ」

 付き合いの長い黒沢には隠しごとなどできないらしい。

「俺がどう思っていようが、お前達には関係ないだろ」

 最初に躯を求めたのは彼らだった。俺は最初から心は渡さないと言った。

「まあ、別にいいけどな」

 黒沢はそう言って鼻で笑う。
 まるで、無駄なあがきだと言われているようだ。

 もういいとフェラを止められる。すっかり萎れていた性器が硬くなった。

「シャツの前と、下を脱げ」

 下着を降ろすと、俺の性器もすでに勃ち上がり、先端を濡らしている。

「なんだ、しゃぶっただけで、チンポお勃っててるのか? いやらしい躯だな」

 ニヤニヤと黒沢は笑う。

「乳首もこんなに尖らせやがって……誘ってやがるのか?」

 黒沢は乳輪を掴んで、指で揉む。

「んっ……」

 それだけの刺激で、俺の躯はビクビクと震えるほど感じていた。

 


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