誘拐

複数×少年 父×子
ショタ,鬼畜,強姦,輪姦,近親相姦


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 01

 一本の電話、それが悪夢の始まりだった。

『あんたの息子を預かっている』

 それは智則が、息子に持たせておいた携帯電から掛かって来た。

 血の気がいっきに下がった。
 智則はパニックになりそうな自分を必死に宥めた。
 
「貴哉は無事なのか、声を聞かせてくれっ!」

『パパっ……助けてっ!!』

 それは確かに息子の声だった。

「貴哉っ!!」

『これでわかっただろ。あんたの息子は俺の手中にあるってことが』

「息子をどうするつもりだ。なにが、目的だ。金か? 金ならいくらでもくれてやる!」

 貴哉は四十を過ぎてから出来た子供だった。それまで立ち上げた会社を大きくすることに懸命で、結婚すら考えていなかった。
 しかし会社が軌道にのって、不意に一人でいる自分が空しくなった。
 そして一回り下の今の妻と出会い、生まれてきたのが一人息子の貴哉だった。

 貴哉が生まれて来て、家庭の温かさを知って、今まで自分の人生がどれほど殺伐としていたのかを知った。

 智則にとって貴哉は、自分の命よりもかけがえない存在だった。

 突然、電話の主が笑い出した。
 気がおかしいのかと思った。

『俺はもう金なんか興味ないんだよ、里見さん。金なんて、なんの価値もない』

 クスクスと男は笑ってそう言った。

「なら、なにが目的だ。どうすれば息子を返してくれる」

『さぁ〜て、どうしようかな。じゃあ、俺がどうしたいか答えられたら、返してやるよ』

 やはり、この男は頭がおかしいのだと智則は思った。

「ふざけるなっ!」
『ふざけてないよ。答えられないなら、お前は息子と永遠に会えなくなるだけだ』

 どうゆう意図があるにせよ、男を怒らせるのは得策ではない。
 智則は考えた。

 目的が金ではないなら……それ以外……やはり恨みか?

 会社の為なら多少強引なこともやってきた智則である。ひとから恨まれることも、ひとつやふたつじゃあきかない。

「お前の目的は復讐か?」

『ピンポーン! 大当たりっ、と言いたいところだけど、それだけじゃあ正解にできないな。簡単すぎるだろ。もっと具体的に言って貰わなきゃ』

 男が遊んでいるのは明白だった。
 答えなんて、本当はない。もしくは絶対に当たらない自信があるのだろう。

 それでも、男が一番気に入るだろう答えを模索して、智則は思考を巡らせた。

『はい、時間ぎれ、残念だね。じゃあまた次にクイズを出すから、会社宛に送ったビデオを最後まで見てね。あと警察に知らせたりしたら、分ってるよな』

 電話はそこで切れた。
 
 しばらく、ショックの為に智則は動けなかった。

「貴哉……」

 一人で怖い思いをしているだろう息子の気持ちを思うと、居ても立ってもいられない。

 しかし……警察に連絡するのは迷った。

 犯人の目的は営利目的ではないという。
 もしかして最初から貴哉を殺すことが目的なのでは……そんな最悪のシナリオさえ、頭に過る。



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