Trip

中年×少年
満員電車の恋続編/青姦


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 01

「さあ、もうすぐ付きますよ。この辺りはなにもないですが、自然は豊かだし、観光客もここまでは来ないので、静かでいいですよ」

「それはいいですね。あまり騒がしいのは好きじゃないので、ありがたいです」

 マイクロバスを運転する男に、私はそう答えた。

 彼は私達が宿泊するログハウスのコテージのオーナーでもある。

「ああ、でもお嬢さんにはつまらないかもしれませんね。ここには若い人達が楽しむような店も、アトラクションとかもないですからね」

 オーナーはすっかり真澄を私の娘だと思い込んでるようだった。

 まあ、それも無理はないかもしれない。
 
 薄いブルーのワンピースに、オフホワイトのサマーニットを羽織っている真澄はどこからみても、ファッション雑誌から飛び出したような美少女だった。

 さっきからずっと車のバックミラーでちらちらと真澄を見ているのを私は知っている。

「それは大丈夫ですよ。この子も騒がしいところは好きじゃないので」

 私は男達が真澄を羨むような視線で見つめるのに優越感を感じている。

 この美しい子は全部自分のものなのだと。

 本当は周りに宣伝したいぐらいなのだが、できないので心の中で浮かれるだけだ。

「しかし、羨ましいな。こんな可愛い娘さんと二人で旅行なんて。ウチの娘なんてまだ小学生ですが、風呂にだって一緒に入ってくれませんよ」

 ハハハっと笑うオーナーに私はただ愛想よく微笑んだ。

「この子はまだ父離れができてないんですよ。こんなに大きくなって困ったもんですが、本当のところはずっと私のものであって欲しいと思っているんですよ。私も随分と親ばかです。なあ、真澄」

 真澄の肩をポンと触れると、ほんの少しだがビクッと震えた。

 真澄は困ったような表情でコクリと頷く。

「そや〜、こんなに可愛い娘さんだもの、父親としては他所の男なんかやるもんかって思うでしょうとも。ウチの娘はお嬢さんに比べたら月とスッポンですが、絶対彼氏なんて作らせねーと思ってますからね」

 それからオーナーの娘自慢に私は適当に相槌を打つ。

 自分は息子しかいないが、やはり娘というのは特別なものなのだろう。

「しかし、お嬢さんは無口ですね。さっきから顔も少し赤い感じがするし、もしかして気分が悪かったりしてませんかね」

 オーナーの言葉に慌ててなんでもないといったように首を振る。  

「すいませんね。この子、すごく人見知りするんですよ。愛想がなくて申し訳ない」

「いえいえ、そんな逆に気を使わせてしまったようで、こちらこそ申し訳ありません。もう少しで着きますから」

 真澄は俯いて、膝においた手をギュッと握りしめている。

「もう少しで着くって、よかったね」

 私はその手に手を合わせる。

 もじもじと足の膝を擦り合わせ、赤い顔をして必死に堪える真澄の顔を見て微笑んだ。

 ようやくログハウスに着いて、一通りオーナーが室内の設備や食事の説明をして、車で行去ってしまうと、とたんに真澄が自分に縋り付く。

「ひ…仁…さん…もう、もうっ…取って……取ってっ……」

 私は聞こえない振りをして、裏口から外に出ると、そこにはすぐ湖があった。

「ほら真澄、見てごらん。こんなすぐ側に湖があるよ」

 斜面の階段を降りるとすぐ湖になっていた。

 しかし、今の真澄には湖よりも別のことが気になるようで、すがるように私の服を掴んでいる。



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